歯を失った(インプラント・入れ歯)
歯を失ってしまったら
1本でも歯を失うと、食事がきちんとできなくなるばかりか、かみ合わせが変わることであごの痛みや肩こり、腰痛、頭痛などが引き起こされることがあります。歯を失わないような生活を心がけることが何よりも重要ですが、万が一歯を失ってしまったときには、きちんと治療を受け、入れ歯やインプラントなどで機能回復することが必要です。
インプラントとは
インプラント治療は、全世界で広く行われている治療方法で約40年の歴史があります。治療では、歯がなくなった部分のあごの骨に純チタン製の人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上部に人工歯をしっかりと固定します。チタンは生体親和性が高く、体にやさしい素材であごの骨としっかり結合することができます。骨と結合した人工歯根は、より強固で安定した状態となり、食べること、話すことなど生活するうえで、入れ歯にはない自然な使用感を得ることができます。
インプラント治療後は手入れを忘れずに
天然歯と同様に、ブラッシングなどのお手入れを怠ると、インプラントを長持ちさせることが難しくなります。ブラッシングしにくい奥歯など、むし歯になりやすい場所に入れたインプラントは、特に念入りにメインテナンスしなければなりません。歯科医院での定期的なクリーニングを受けることはもちろん、自宅での毎日のブラッシングもとても重要です。インプラントはあごの骨が健康でないと維持することが難しくなりますから、きちんと歯周病予防にも努めましょう。
また、ブラッシングには、歯ブラシだけでなく、歯と歯の間もきれいに磨ける歯間ブラシを利用します。堺市の「あわた歯科クリニック」では、ご自分に合った歯ブラシ・歯間ブラシを選んで正しくブラッシングできるよう、ご指導しております。
自分に合った入れ歯ですか?
装着時に違和感がある入れ歯を使用していると、痛みを感じたり、食事がうまくできなかったり、発音が悪くなったりとさまざまなストレスにつながります。では、入れ歯を選ぶとき、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか?
- 違和感がありませんか?
- 入れ歯の厚みや温度の伝わり方などによって使用感が異なりますので、最適なものを選びましょう。
- 見た目は自然ですか?
- 素材によって見た目の審美性が大きく変わってきます。自然に近い見た目かどうか、大きく口を開けたときの違和感を確認します。
- ずれにくいですか?
- かむときに床部分がずれると痛みを感じることがあります。ずれにくいかどうか、確認が必要です。
- 落としても大丈夫ですか?
- 素材によって強度が異なります。扱い方にもよりますが、落としてしまっても割れにくいかどうかを確認しましょう。
インプラントと入れ歯の違い
インプラントと入れ歯は、使用感や見た目、費用など、さまざまな面で異なります。両者のメリット、デメリットを比較してみましょう。
- メリット
- デメリット
- 入れ歯
-
- 健康な歯を削らなくてもよい
- 健康保険が使え、治療費が安価
- 保険適応の入れ歯も合わなければ修理可能
- 単純なものなら製作期間が短い
-
- 見た目が不自然になりがち
- 食事の時に違和感があり、味覚や熱の伝わり方が損なわれる
- 金具をかける歯に負担がかかってしまう
- 虫歯になりやすい
- お手入れが面倒
- しっかり固定されず、かむ力が弱くなる
- 歯ぐきが痩せてしまうと合わなくなることがあり調整が必要
- インプラント
-
- 自然な見た目
- 自分の歯と変わらない使用感を得られ、しっかりとかめる
- 健康な歯を削る必要がない
- 取り外す必要がない
- 味覚に影響がでない
- きちんとお手入れをすれば長期間使用できる。
-
- 手術が必要
- 人工歯根を埋める骨の量や厚みが充分でない場合、利用できない(骨が不足している場合は、骨を作るための手術が必要)
- 治療期間が長く、3ヶ月〜1年かかる
- 保険適応外のため費用が高額になる
- 治療後、定期検診やブラッシングなどのメインテナンスが必要
- 歯ぐきが下がっている場合、見た目に違和感が出てしまう
入れ歯の使用感や見た目から使うのをためらってしまう方には、「インプラントオーバーデンチャー」がお勧めです。数か所にインプラント(人工歯根)を埋め込み、それに入れ歯を固定する方法で、安定感があり、見た目・かみ心地が自然なのがメリットです。逆に、デメリットとして、手術でインプラントを埋め込まなければならないことや、自費診療のため治療費が高額になってしまうこと、全身疾患などで手術が受けられないことがあることなどがあげられます。どのような治療法にも、メリット、デメリットがあります。それらを正しく理解して、自分にあった治療法の選択にお役立てください。